ええ、嘘をつく場です。……というと、誤解を生みそうなので。
えっと、完全な嘘はダメです。
嘘を隠すのには、もっと大きな嘘が必要になるので
質問される度にひどい状況になっていきます。
焦ってる本人では気づかない矛盾が出たりします。
じゃあ正直なのがいいんだね。
そうです。
正直であればあるほどいいんだね。
いや、それはダメです。正直なのはいいんですが、ありのままを話しすぎる人が
かなり多いんではないかと思っています。
「嘘をついてもダメだが、ありのままを話してもダメ」……。
この微妙なバランスが必要です。
正直さにこだわりすぎない。
ずる賢さをちょっぴり身につける。
例えば高級料理を食べようとします。
厳選された素材の、さらに厳選された一部分のみの素材。
旨み成分がたっぷり。
最高のシェフが半日かけて仕込んだ。
そういう説明を事前に受けたとします。
これらは事実です。貴方は期待に膨らみます。
逆に、説明がこうだったらどーです。
使えるけど捨ててる素材が山とあります。
貴方の注文で生ごみがまた数百g無駄に増えました。
カロリーがかなり高いです。貴方は寿命が縮んだ可能性があります。
隣の店のシェフのほうが腕はいいし安いです。貴方は損をしました。
これは美味しいかもしれませんが、貴方が満腹なら意味がないものです。
食べる気もなくしますな。
ありのままの事実ですのでといわれても、
いう必要が無いことだというのは分かりますよね。
全てを正直にせよ。
ありのままを伝えよ、というのは、こういう事になりかねないです。
美点だけを強調し、欠点は触れない。
触れたとしても、結局美点を強調するスパイスのために触れる。
化粧といってもいい。すっぴんは不味い。
だけど、やりすぎも良くない。
上手く化粧することです。相手は美人とお付き合いしたいので、
すっぴんをなんとかして引き出そうとします。
それで、すっぴんも綺麗だよと信じさせる事が必要です。
ただ、これ言うほど簡単ではないと思います。
俺の場合は「
良心の呵責」というのがあって。
まあ「
人を騙してはいけません」と教えられて育ってきましたのでね。
なんとも抵抗があったんですよ。
というかメチャクチャにあったね。凄く悩んだ。
本当にバカ正直に生きてきたと思うんですけど。
でも、それはある意味では、それにすがってたのかもしれません。
人を騙さないというのが一つのアイディンティティでしたから。
しかし、よく考えると、別に仲のいい友人相手でも、
ありのままを伝えてはいない。
言いたいことを言い合える関係だとしても、
思ったこと全てを伝えてなんかいない。
親しき仲にも礼儀ありというだけですが。
でもこれは騙すとは言わないですよね。
本音を、本心をぶちまけることが常に正しいとは限らない。
時には、相手の望む姿をあえて演じることもある。
慰めて欲しい相手に怒鳴りつけて説教しても意味がない。
人間関係の基本です。
面接も所詮、面接官との人間関係ですから。
例えば、長く働けますか?といわれて
「ブラックだったら即やめたい」と思っていたとしても
「1ヶ月で辞める可能性があります」と言わないことです。
相手はそういう答えを望んでいませんから。
「1年でも10年でも働きたいです」というべきです。そんなこと思ってないって?
でも「ホワイトで人間関係も良好なら」長く働きたいですよね?
「ブラックだったらやめたい」というのとどう違います?
「ブラックだったらやめたい」という視点にたって応えるか
「ホワイトなら長く続けたい」という視点に立って応えるか。
そして、相手はどう答えて欲しいのか。
ニート相手、面接官は、自分らに対し、やる気なく直ぐ辞めるんじゃないかと不安です。
安心したいがために、色々質問をぶつけてきます。
それを考えると、じゃあどっちが良いかは分かりますよね。
全部そんな感じです。
ついでにいうと、理由もつけるとなおいいでしょう。
学びたいことがあるとかなんとか。理由があると人は安心します。
ちょっぴりのずるがしこさ、それを視野に入れてみましょう。本音を伝えていい人、伝えていい場。
ありのままが許される場所、許されない場所、それを分けましょう。
……正直は美徳ではない。残念ながらか、喜ばしいことにか。
まあこれは語ると長いんで別の機会に。
余りにも正直に言い過ぎたために落ちまくった人からの助言です。
流石に反省している。
入ってからお互いに誤解がないようにといっても、限度があったぜ。
↓いつも応援ありがとう。最近は本当にありがとうです。
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